2023年6月4日、テニス全仏オープンのダブルス3回戦に出場中の加藤未唯さんが、試合中に「失格」を宣告されて退場となりました。
最初は「厳重警告」だったジャッジが「失格」に変わったのですが、一度言い渡されたジャッジが変わった経緯や理由が気になりますよね!
この記事では、加藤未唯さんの「失格」ジャッジについて、
- なぜ失格になったのか?
- 危険行為シーンの動画
- 「失格」へ変わった経緯
- 相手チームの異議申し立て内容は?
- SNSから批判の声まとめ
以上の内容で詳しくご紹介します。
【動画】加藤未唯はなぜ失格になった?

加藤未唯さんが全米オープンの試合で失格した理由は、
加藤未唯さんが自コートに落ちていたボールを、相手側のコート奥にバックハンドで軽く打ち返したらボールガールにノーバウンドで直撃。この行為が危険行為と判断され主審から「厳重注意」を受けた。ところが相手チームからの異議申し立てによりジャッジが「失格」へ変わったから。

危険行為って何?
ジャッジが変わったのはなぜ?
気になることはありますが、まずはボールガールに直撃した時の状況を動画で確認してみましょう。
危険行為の動画
ボールガールに直撃したシーンの動画をご紹介します。
危険行為と判断されたシーンはこちら↓
動画を見るかぎり加藤未唯さんはボールを軽く打ち返しているように見えますが、ボールが長すぎてボールガールに当たっていますね…。
危険行為についてはこちら↓
危険行為とは?
テニスの4大大会のルールブックには、危険行為として次の2つが記載されています。
- 故意にコートの外にボールを打つこと
- コート内で危険かつ無謀にボールを打つこと、または(危険を及ぼすという)結果を軽視してボールを打ったりすること
今回の失格については②に該当するのではないかと思われます。
加藤未唯さんの行為は危険行為であると判断され「厳重警告」のジャッジを受けました。
ボールガールにノーバウンドで当たっている以上、警告を受けるのは致し方ありません。
ところが警告だったはずのジャッジが、その後「失格」に突然変わったのです!
なぜ「厳重警告」だったジャッジが「失格」に変わってしまったのでしょうか?
気になる経緯を見ていきましょう。
失格に至るまでの経緯
加藤未唯さん側のコートに落ちていたボールを、加藤未唯さんが相手側にバックハンドで軽く打ち返しました。
ところがその打ったボールが、ノーバウンドでボールガールに直撃!
加藤未唯さんは主審から厳重注意のジャッジを受けます。
主審は、



加藤未唯さんは故意にそうしたわけではない。そしてボールガールは怪我をしたわけではない。
と判断したそうです。
実際、この画像で分かるようにボールガールは自分のコート側の選手にボールを渡す準備をしていましたので、加藤未唯さんの方向は見ていません。


そのため加藤未唯さんからのボールにあらかじめ気付くことが出来ず、逃げ切れずに首のあたりへ当たってしまったのです。
ボールガールの方へまっすぐ、黄色い線状で写っているのがボールです。


ボールガールは「あっ」という感じに身をかがめていますが逃げ切れませんでした。
そして対戦相手の2人も、実際のシーンを見ていないようですね。
ところが!
相手チームのブズコバ選手とソリベストルモ選手から審判へ意義が申し立てられました。
異議を申し立てるシーンはこちら↓


加藤未唯さんはまだボールガールの元へは向かっていないようで、コートに立っていますね。
相手チームの2人は審判に、ボールガールと直接話すように強く主張したのです。



彼女は血を流している



彼女はわざとやったんじゃないの? 泣いてるじゃないの
加藤が故意にボールガールにぶつけたと〝悪質性〟を主張したという。ソリベストルモの一方的な主張が審判や大会主催者の心証に影響した可能性もあり
東スポWEB
加藤未唯さんの対戦相手はどんな選手なのか調べてみました。
対戦相手の2人です↓


対戦相手の2人はチェコとスペインの選手です。
- マリエ・ブズコバ選手/国籍チェコ/24歳/世界ランク33位
- サラ・ソリベス・トルモ選手/国籍スペイン/26歳/世界ランク132位
そして両選手とも、世界ランク410位の加藤未唯さんよりランキング上位の選手です。(参考:WTAランキング)
その後、もちろん加藤未唯さんはボールガールに謝りに行っています。


流血については画像では確認が出来ませんね。ボールガールは15分間泣きじゃくっていたのですが、痛み以外に多分ショックもあったのではないでしょうか。
その後審判はボールガールと話した後に判定を変え、加藤未唯さんのダブルスチームは「失格」を言い渡されました。


失格を言い渡された加藤未唯さんは涙を流しながらコートから退場しました。
加藤未唯さんのぺア相手、インドネシアのアルディラ・スーチャディ選手も加藤未唯さん同様に悔しかったことでしょう。
一方、失格と決まった時に対戦相手チームの2人が笑顔を浮かべているように見えたことが憶測を呼んだようです。
「失格」が決まった時の相手チーム画像はこちら↓


「関係者が協議を行い、失格の決定が必要であることに関係者が同意したように見えた瞬間、ブズコバとソリベストルモ氏がほくそ笑んでいる姿が見られた」と写真付きで報道。加藤組の失格が決定した直後に、まるで思いどおりとでも言いたげな不敵な笑みを浮かべて裁定を喜んだのだ。
東スポWEB
対戦相手2人の表情をとらえたこの画像は、試合の翌日以降に大きく報じられました。
そして大きく非難を浴びるきっかけになってしまいました。
加藤未唯の相手チームの抗議内容は?


対戦相手のマリエ・ブズコバ選手とサラ・ソリベス・トルモ選手がどのような異議申し立てをしたのか、画像からはわかりませんでしたが、試合から2日たった6月6日にその内容が報じられました。
「失格」を求めたわけでもなく、よく見てほしいといっただけで決めたのは審判だと話しています。
批判が集中していることに対してサラ・ソリベス・トルモ選手は「悪いことはしていない」と発言しています。
「まず私たちは、ボールキッズが泣いていたのは、何かが起きて怖かったからだと伝えた。そして、ボールキッズにはボールが見えなくて、ボールはダイレクトで当たったんだと伝えた」
「あとは全部スーパーバイザー(審判員)が決めたことで、私たちが決めたことではない。悪いことはしていないと思っている。昨日のことに関して私が言えるのはこれだけよ」
Yahooニュース
ところが加藤未唯さんのペアの相手、アルディラ・スーチャディ選手の見た光景は対戦相手の言い分とは違い、「対戦相手の2人は、一度警告が出ているのに『あれは失格だ』と訴えて引きさがらなかった」と話しています。
主審は加藤の打球がボールガールに当たったのを見て、一度は警告を出した。ただ直後、対戦相手の二人が「あれは失格だ」「ボールガールは血が出ている」と訴え、説得にも引き下がらなかった。
Yahooニュース
立場によって記憶が変わってしまうのかもしれません。
しかし、相手チームが強硬に異議を申し立てていたのは間違いなさそうですよね…。
最終責任者レフェリーの返答
強硬に異議申し立てを受けた主審は、ここで試合に対して最終決定権を持つ「レフェリー」という最上位のポジションに立つ人物を呼びます。
そしてレフェリーから失格を言い渡された加藤未唯ペアは「ビデオを見て判断してほしい」と言ったのですがレフェリーは「もう決まったこと」「ボールガールが泣いているから」の一辺倒だったそうです。
「納得できない私たちは、彼に『判決を下す前に、ビデオを見て何があったか確認して』と言ったのですが、彼は『ノー。それは出来ない』としか言わず、理由を説明してくれませんでした。彼はボールガールと話し、そして私たちに『意図は関係ない。君が打ったボールが当たった子は、まだ泣いている。泣き止むことが出来ない。それは君の打ったボールが当たったからだ』と。それでお終いです。
Yahooニュース
加藤未唯選手は、このたびの判定プロセスの見直しをグランドスラム評議会に求めて提訴しました。
加藤未唯のSNS謝罪コメント
試合のあと、加藤未唯さんはSNSでボールガールやファンに向けて謝罪コメントを出しています。
加藤未唯さんのコメントを翻訳すると以下のような内容になります。
今日の不幸な事故について、ボールガールとパートナーや私のチーム、応援して下さったすべてのファンの皆様に心からお詫び申し上げます。全く意図した行為ではございませんでした。しかし結果としてRGから賞金やポイントをはく奪される処分を受けることになりました。引き続き応援をよろしくお願いいたします。
加藤未唯さんのツイート原文はこちら↓
「失格」のジャッジを受けた加藤未唯さんに対して、当初は賛否両論ありました。
ところが試合当時の状況が報じられるにつれ、相手チームへの非難の声が大きくなっています。
追記しました。
ボールガールについては、加藤未唯さんが6月9日に自身のSNSでボールガールとのツーショットを挙げました。
ツーショット投稿はこちら↓
加藤未唯さんのツイートには、ボールガールが元気で良かったと安堵の声とともに、今もボールガールとしてボランティア活動を続けていることを知って歓びのコメントを投稿したのです。
また加藤未唯さんは「私からのプレゼントを楽しんでいただけたら嬉しい」、そして「また会える日を楽しみにしている」とも書いています。
加藤未唯の失格に対するSNSの声まとめ


加藤未唯さんの失格に対しては賛否両論の声がありました。
また対戦相手の選手を批判する声が大きくなり炎上している声も、最後にご紹介します。
では見ていきましょう。
失格は仕方ないという声
まずは加藤未唯さんが失格になったのは仕方ない、または当然という声をご紹介します。
『実際は結構な勢いで飛んでる、そしてボールパーソンは相手ペアにボール準備していて加藤未唯さんの方向を見ていない、普通に危ない。それにテニスボールは当たると痛いし、そもそも近くにいた方の子に渡せば良い話だし』という声です。
『あそこのボールガールに返球する必要なかった』という声ですね。さらに『もう少し早く駆けつけて謝っておけばなー。 泣くのはしょうがない』とも言っています。
失格はおかしい・やりすぎの声
『キャッチに失敗して泣いたら失格か』と疑問を投げかけ、『ばかげたジャッジ』という声です。
『明確化されていないルールで賞金とポイント没収はやり過ぎ』という声ですね。
対戦相手への批判が殺到!
加藤未唯選手の対戦相手、ブズコバ選手、ソリベストルモ選手のインスタグラムに非難の声が殺到しているそうです。
主な内容は、
- 相手の失格を審判に河野は不必要だ、残りのシーズンの運がゼロになることを願う
- 態度が悪い
- 加藤ペアから勝利を盗んだ
- 恥を知れ
- それでハッピーなのか?
など…。かなり辛辣な言葉で炎上をしているようです。
またその他にも報じられている批判報道をご紹介します。
米国でテニスの有名解説者でもあるリッキー・ダイモン氏は、ブズコバとソリベストルモが全仏OPから追放されるべきだと主張。(中略)
テニスポッドキャストの司会者であるクレイグ・シャピロ氏も「ソリベストルモとブズコバは信じられないほど卑劣だ」と痛烈に非難した。
東スポWEB
さらに世界のテニス女王ナブラチロワも『ばかげたルール解釈」と言及したようです。
「元世界ランキング1位のナブラチロワもルールの馬鹿げた解釈を批判した。ブズコバとソリベストルモの姿勢を恥ずべきものだと失望している」と報道。
Yahooニュース
「失格」のジャッジには確かに首をかしげたくなりますね…。
しかしジャッジを下したのは相手チームではありません。
相手選手に言われて審判がジャッジを変更する、というのは一般的にはかなり考えにくいことです。
今後は、危険行為と判断されるような行為がコート上で二度と起こらないこと、ボールガールの心に傷が残らないことを願い、良い形で決着がつくことを願います。